排卵検査薬を使って妊活を成功に導くため情報をお届けします。
排卵検査薬とは、排卵の動向を探ることができる妊活において非常に役立つアイテムです。妊娠検査薬と混同されている人もいますが、両者は全く異なるもの。一緒に使うことで妊娠の確率を高めることができます。
2016年の薬事法改正によって、病院や薬局だけでなく、ドラッグストアやインターネットでも購入可能になりました。より購入しやすい環境になったのですが、その分、ある程度の知識をもっていないとうまく活用できないことも…。
上手に活用して妊娠の可能性を高めるためにも、排卵検査薬の使い方やタイミング、購入方法、妊娠検査薬との違いなどの基本知識を把握してから使いましょう。
排卵検査薬は、尿に含まれる黄体形成ホルモン濃度の測定によって排卵日を予測します。
これは、排卵日間近になると尿中での黄体形成ホルモンの分泌量が増えるという女性の身体の仕組みを利用したものです。
検査方法は妊娠検査薬と似ており、尿を採尿部にかけるか、コップなどに入れた尿に採尿部をつけます。その後、水平な場所に5分から10分程度置いて結果を待ちます。
このように、手軽にできる排卵検査ですが、説明書にしたがって取り扱った上で正確な検査を心がける必要があります。そうしないと、不正確な判定結果になったり、判定ができなかったりすることがあるためです。
また、保管方法にも気を配り、開封後はすぐに使用して再利用はやめましょう。
測定する時間帯にこれといった決まりはありませんが、より正確に測定するためには、同じ時間帯に検査を行うのがよいとされています。24時間間隔で測定することを意識してみてください。
可能であれば採尿は10時から20時の間に行うと良いでしょう。起床直後の尿は、寝る前に摂った水分によってLH濃度が薄まった状態になっています。そのため、朝一番の検査はできるだけ避けてくだい。
起床後に測定する場合は、朝一番の尿を出し切ってから測定することをおすすめします。
また、水分の過剰摂取は測定結果に影響を及ぼすため、測定する2時間ほど前からは可能な限り水分の過剰摂取を控えるようにしましょう。
排卵検査薬の結果は、「コントロールライン」と「テストライン」の2本の線を確認することでわかります。
陽性の場合、判定ラインが2本とも濃く現れるか、もしくはテストラインがコントロールラインより濃く現れます。陽性反応が出たら、48時間以内に排卵が起こる可能性が高いというサインです。
一方、テストラインがコントロールラインよりも薄いか、テストラインが現れない場合は陰性と判断します。2本ともラインが表示されない場合はエラーですので、新しい排卵検査薬を使用して再検査を行いましょう。
陰性反応が出た場合は、翌日以降も検査を継続してください。陰性反応が長く続く場合は、LH濃度が低い体質や、無排卵である可能性も考えられますので、病院を受診し診察を受けるようにしましょう。
排卵検査薬の使用方法はメーカーによって異なるため、製品の説明書をきちんと確認することが大切です。
排卵検査薬を使用するタイミングに絶対的な決まりごとはありません。しかし、やたらと使用しても無駄になるだけです。
通常、排卵が起きると予想される日の2日から3日前くらいから使用するとよいでしょう。一般に月経周期が28日の女性の場合、生理から14日後あたりが排卵日だと予想できます。
つまり、生理から11日過ぎた頃、わかりやすく10日後あたりが使用開始の適切なタイミングだといえます。
また、月経不順など排卵日の予想が難しい女性では基礎体温表を活用することで、使用するタイミングの目安を見つけることができます。
いずれにしても、妊活には基礎体温のチェックが重要です。より正確な排卵日の把握のためにも、基礎体温表をつけることが求められます。
基礎体温表には、月日・月経周期(月経初日から数える)・基礎体温を記録していきます。基礎体温は、目が覚めてすぐの状態で基礎体温計を用いて測定してください。記録機能が付いている体温計を選ぶと便利です。
また、可能であれば出血の量、おりものの状態、薬の使用や飲酒など、体温に影響を及ぼす可能性のある因子もあわせて記録しておきましょう。基礎体温表が手元にない場合は、アプリやエクセルなどを使用してもかまいません。
基礎体温表をつけておくことで、月経周期だけでなく生理不順や不正出血などトラブルの原因を推定する際にも役立ちます。
月経周期は低温期と高温期に分かれており、高温期に突入する直前になると体温が降下し始めます。体温が一気に下降した日の前後を「排卵期」と呼びます。排卵検査薬は、排卵期に突入する直前から使用するとよいでしょう。
参考:『基礎体温について』新百合ヶ丘総合病院 産婦人科 リプロダクションセンター
女性の体内で排卵に深く関与しているのが黄体形成ホルモンです。この黄体形成ホルモンをLHと呼びます。
LHサージとは、LH黄体形成ホルモンの尿中における分泌量が急増することを指す言葉です。
そして、LHサージが起きるのは排卵日の直前であり、LHサージが起きてから排卵までの時間は約40時間だといわれています。
排卵検査薬が役に立つのは、LHサージがあるためです。LHサージによる黄体形成ホルモンの分泌量の増加こそが、排卵検査薬の陽性判定の根拠となっています。
LHサージを捉えて陽性となったら、いつでも受精可能な状態をつくるための体制に入ることが望ましいといえます。排卵までに残された時間は長くはないからです。
排卵検査薬と妊娠検査薬は、まったく異なるものでありながら非常によく似ている部分も多いです。検査の手順はどちらもほぼ同じで、採尿部に尿をかけてしばらく待つだけの簡単な検査になります。
しかし、排卵検査薬が排卵日を予測するためのものであるのに対し、妊娠検査薬は妊娠しているかどうかを調べるためのものです。目的が異なることから、検査に使用する尿の物質も異なります。
排卵検査薬はLHサージをキャッチして判定しますが、妊娠検査薬はhCGホルモンを捉えます。hCGホルモンは妊娠ホルモンとも呼ばれている物質で、妊娠していないときにはほとんど存在しないとされている物質です。
排卵検査薬は、現在ではドラッグストアなどで気軽に購入できるようになっています。
ただし、第1類医薬品になっているため、薬を売っているお店であればいつでもどこででも買えるというわけではありません。
また、排卵検査薬には国内製造のものだけでなく、海外の製品も広く出回っています。
ひとつ注意するとすれば、海外製品の場合、取扱説明書などの記載が外国語だけになっているケースがあることです。語学力のある人なら問題はないでしょうが、気をつけておきたいことだといえるでしょう。
もちろんですが、高温期9日目に排卵検査薬を使っても、次の排卵日を予測できるわけではありません。しかしながら、なぜか高温期9日目あたりに排卵検査薬を使用する人もいるようです。その目的は妊娠判定。排卵検査薬が、偶然妊娠をキャッチすることがあることから、たまたま排卵検査薬が手元に残っていた場合、高温期9日目あたりで妊娠検査薬とあわせて排卵検査薬も使用する人がいる、とのことです。
妊娠の確率が高いタイミングで性交渉を持つことが、排卵予測検査薬を使用することの目的。一般に排卵の2日前がもっとも妊娠率が高まると言われているため、基礎体温等を基準にして排卵の2日前くらいから排卵検査薬を使うようにしましょう。ただし排卵検査薬の中には、排卵当日にならないと陽性を示さないものもあります。商品選びの際には、少しでも早く判定してくれる商品かどうかもチェックしましょう。
排卵検査薬は、やみくもに使っても意味がありません。生理周期や基礎体温等を考慮し、排卵日が近づいたタイミングで使用することが大切です。 しかしながら、検査薬の使用スタート日を特定することは非常に難しいこと。ある産婦人科医は「生理周期が規則的な人は、生理が終わった直後から毎日使用する。不規則な人は、過去、もっとも短かった生理周期を前提に、生理予定日の17日前から検査薬を使用するように」と推奨しています。
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40代からの妊活には、自分の排卵期を知ることが大切です。妊娠するためにベストなタイミングを把握するためには、排卵の時期を見極めることが近道になります。
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寝起きの朝一番の尿で排卵検査薬を使用すると、偽陽性や偽陰性が出る恐れがあります。1番尿の場合、その濃度が濃かったり薄かったりするからです。排卵検査薬は、2番尿以降に使用するようにしましょう。また、暴飲暴食をした後に排卵検査薬を使用することも、基本的には避けるべき。尿の濃度が薄くなってしまうことがあるからです。寝起きや暴飲暴食後を避け、常に決まったタイミングで検査するようにしてください。
排卵日を予測する方法には、排卵検査薬のほかにも、病院の受診があります。病院での排卵検査はエコー検査(超音波をお腹に当てる検査)なので、抵抗なく気軽に受けることができるでしょう。なおかつ病院での排卵検査には保険が適用されるため、驚くようなコストがかからないこともメリットです。ただし、実際に排卵検査薬と病院受診とを比較すると、かならずしも病院のほうが「手軽で安い」わけではないことに注意してください。
排卵検査薬には使用期限があります。使用期限を過ぎた排卵検査薬を使うと、排卵の可能性がないにも関わらず「陽性」と出たり、排卵の可能性があるにも関わらず「陰性」と出たりすることがあります。お金がもったいないかも知れませんが、効率的で確実な妊活を行うために、使用期限切れの排卵検査薬を使わず、新しいものを購入するようにしましょう。
陽性を示すべき体であるにも関わらず、排卵検査薬が陰性を示してしまう現象を偽陰性と言います。逆に、陰性であるべきところで陽性を示す現象を偽陽性と言います。偽陰性や偽陰性が連続してしまうと、効率的な妊活を進めることができません。必要ならば医療機関で原因を特定し、自分の体に合った排卵検査を行うようにしましょう。